エアコンから嫌な臭いがする原因は?対策や放置するリスクを解説

エアコンを使用しているときに、嫌な臭い(カビ臭・生ゴミのような臭い・タバコの臭い・酸っぱい臭い)を感じることがあります。

異臭は単に不快なだけでなく、エアコンの性能低下や故障、健康被害の原因にもなる可能性があるため、できるだけ早い対策が必要です。

そこで今回は、エアコンの臭いとなる主な原因をはじめ、放置した際のリスクや臭い対策の注意点、コツなどを紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

エアコンから酸っぱい臭い・嫌な臭いがする原因

エアコンからする酸っぱい臭いや嫌な臭いの原因として、主に以下の4つが挙げられます。

  • エアコン内部に繁殖したカビ
  • 室内の生活臭
  • 本体内部の汚れ
  • ドレンホースに詰まった汚れ

それぞれ臭いの原因を詳しく見ていきましょう。

エアコン内部に繁殖したカビ

エアコンの内部にカビが繁殖すると、雑巾や生乾きに似た臭いが発生します。

カビが発生しやすいのは、以下のような環境です。

  • 気温や湿度が高い
  • 部屋の換気が不十分
  • エアコン内部の掃除をしていない

特に梅雨の時期は湿度が高くなり、雨の影響で思うように部屋の換気ができない場合も多いため、注意が必要です。

エアコン内部にカビが繁殖すると空調機能が低下するのはもちろん、故障や健康被害のリスクもあるので、カビ臭を感じたらできるだけ早く対処することをおすすめします。

エアコンのカビについては、以下の記事でより詳しく解説しています。

エアコンにカビが生える原因とは?身体への影響や対処法を解説

室内の生活臭

室内に充満する生活臭も、エアコンから嫌な臭いがする原因の一つです。

エアコンの冷房・暖房は、部屋の空気を取り込み、冷たい風や暖かい風を放出することで部屋を快適な温度にします。部屋の中に漂うたばこの臭いやペットの体臭、調理で使用した油の臭い、生ごみの臭いなども一緒に取り込んでしまうため、結果的にエアコンから異臭を感じるようになるのです。

本体内部の汚れ

エアコンからする嫌な臭いの原因には、本体内部の汚れも考えられます。

エアコン内部には、室内機と室外機を循環する空気の通り道があり、そこは室内の空気中に漂うホコリやペットの毛などが付着して汚れやすい場所です。

エアコン内部が汚れていると不快な悪臭だけではなく、冷暖房能力や風量の低下などの症状が現れます。さらには、その汚れをエサにカビが繁殖する可能性も否定できません。

ドレンホースに詰まった汚れ

ドレンホースに詰まった汚れも、エアコンからする嫌な臭いの原因の一つです。

ドレンホースはエアコン内の水を排出する役割がありますが、ホコリや虫の死骸、異物などが詰まりやすい場所です。詰まりによって水が滞留してしまうと雑菌が繁殖しやすくなり、臭いの元となるカビやバクテリアが増え、送風口から室内に放出されます。

エアコンの嫌な臭いを放置するとどうなる?

エアコンから発生する嫌な臭いを放置すると、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • エアコンの機能が低下し効きにくくなる
  • 電気代が高くなる
  • 故障の原因になる
  • 健康被害が起きる

ここでは、起こりやすい問題について具体的に解説します。

エアコンの機能が低下し効きにくくなる

エアコンの嫌な臭いを放置すると、エアコンの機能が低下し効きにくくなります。

エアコンから嫌な臭いを感じるときは、エアコンの内部に汚れが付着したままである可能性が高いです。内部の汚れが放置されると送風ファンやフィルター、熱交換器などにも汚れが蓄積し、空気の流れが滞ります。その影響によって熱交換や送風が円滑に行えなくなってしまい、設定温度への到達が遅くなったり風量が弱くなったりなどの機能低下が生じます。

さらには、カビの繁殖によって通風路が狭くなれば風量不足が深刻化し、ドレンホースの詰まりがある場合は内部機器が錆びて性能が低下します。

電気代が高くなり、故障の原因にもなる

上述したように、エアコンから発せられる嫌な臭いはホコリなどの汚れの影響が強いです。エアコンにおけるフィルターは風の通り道になっており、そこがホコリで汚れると塞がれてしまいます。その状態だと本来よりも強いパワーで運転しなければならず、結果的に電気代が高くなります。さらに、負荷が多い状態で稼動させていると、エアコンの寿命を早めてしまう可能性もあるのです。

健康被害が起きる

エアコンから発生する嫌な臭いを放置すると、健康被害が起きる恐れがあります。そのほとんどがカビの繁殖が原因です。

カビには、気道の炎症による咳、くしゃみなどのアレルギー反応や喘息の悪化、肌荒れなどの健康リスクがあります。特に免疫力が低下している場合や、小さい子どもや高齢者は注意しなければなりません。

エアコンの嫌な臭いへの応急措置方法

エアコンから嫌な臭いがする場合、以下の2つの応急処置を試してみると良いでしょう。

  • 換気しながら冷房16度設定で1時間運転
  • 換気しながら暖房30度設定で1時間運転

ただし、あくまでも一時的な対処法にすぎません。根本的に解決したい場合は、エアコン内部のクリーニングが必要不可欠です。

換気しながら冷房16度設定で1時間運転

エアコンから嫌な臭いがする場合、換気しながら冷房を16度に設定し、1時間ほど運転してみてください。

換気しながら冷房運転にすれば、エアコンはフルパワーで稼働し、普段よりも多くの結露を発生させます。その結果、熱交換器やドレンパンに付着している臭いを大量の結露水に溶かして洗い流せるのです。

ただし、臭いの根本的な解決にはつながらず、あくまで不快な臭いを一時的に取り除く手段として理解しておきましょう。

また、結露が増えすぎるとエアコン内は湿度が高くなり、カビが生える環境を整えてしまい逆効果となるためやりすぎは禁物です。

換気しながら暖房30度設定で1時間運転

エアコンの臭いを軽減する方法として、換気しながらの暖房運転も有効です。

エアコンからの嫌な臭いはカビが原因になっていることも多く、25~28度がカビにとって快適な生育環境です。しかし、それ以上の温度になるとカビは育たなくなり、死滅するといわれています。

エアコンを暖房の30度に設定して1時間運転すればカビの繁殖を抑制・死滅させることができ、嫌な臭いを解消できる可能性があります。

ただし、死滅したカビは残ったままなので根本的な解決にはならず、一時的な対処法として考えたほうが良いでしょう。

エアコンの嫌な臭いへの対処法

ここまでは、エアコンから嫌な臭いがするときの一時的な応急処置をご紹介しました。

さらに踏み込んで臭いの原因を対処するには、以下の2つの方法が挙げられます。

  • 自分でエアコンを掃除する
  • エアコンクリーニングを業者に依頼する

それぞれの対処法を詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

自分でエアコンを掃除する

エアコンの臭い対策の一つとして、自分でエアコンの掃除を行うことが挙げられます。その際は、取扱説明書をよく確認し、マスクや掃除機などの掃除道具を装着してから行うようにしましょう。

自分でエアコンを掃除する際の主な手順は以下の通りです。

  1. エアコンの電源を切り、コンセントから電源プラグとアース線を抜く
  2. 可動パネルなどの取り外し可能なパーツを外す
  3. 壁や天井などが汚れないようにエアコンをビニール袋などで覆う
  4. フィルターなどに付着しているホコリなどを掃除機で吸い取り、きれいに汚れを落とす
  5. 布巾に水で薄めた中性洗剤を染み込ませ、汚れを拭き取る
  6. きれいな布巾で空拭きし、しっかりと乾燥させる

掃除を終えたあとは一度エアコンの試運転を行い、異常がないかを確認しましょう。

自分で行うエアコンの掃除に関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。

自分で簡単にできるエアコン掃除とは?掃除手順や必要な道具を解説

エアコンクリーニングを業者に依頼する

エアコンの掃除を自力で行う場合、事前準備する道具や専門的な知識・技術が必要であり、内部の奥まで掃除するのは難しいです。汚れを完全に落とし、きれいな状態にしたいと考えているなら、プロのクリーニング業者に依頼するのがおすすめです。

専門業者によるエアコンクリーニングには、以下のメリットがあります。

  • 特殊な道具を使用して、エアコン内部の奥まで徹底的に清掃できる
  • 熟練の技術者がいるので、確実にカビや汚れを取り除ける
  • 分解洗浄も可能

費用はかかりますが、臭いの原因となるカビやホコリなどの汚れを一掃することが可能です。エアコンの寿命も延び、電気代の節約や健康被害の防止にもつながるので、一度検討してみると良いでしょう。

業者によるエアコンクリーニングについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

エアコンクリーニングは業者に依頼すべき?おすすめの選び方や値段相場など徹底解説

エアコンの臭い対策を行う際の注意点

エアコンクリーニング業者に依頼する前に自力で臭い対策を行う際は、押さえておくべき注意点が存在します。

  • 取扱説明書をよく確認する
  • 見える範囲の掃除のみにとどめる
  • 事前にドレンホースの詰まりを確認する
  • 作業後に試運転を必ずする

ここでは、注意点について詳しく解説します。

取扱説明書をよく確認する

エアコンの臭い対策を行う際は、必ず取扱説明書を一読しておきましょう。

取扱説明書には、正しい手入れの仕方が記載されています。エアコンによって設計や構造も異なり、自分のエアコンに合わせた扱いをしなければ故障の原因になりかねません。さらには、臭い対策を効果的に行えない可能性もあります。

自分でエアコンの手入れをする際は、取扱説明書の内容を理解した上で、メーカー指定の手順で行ってください。分からない点があれば、メーカーのサポートセンターに問い合わせるのも一つの方法です。

見える範囲の掃除のみにとどめる

エアコンの掃除を自分で行う場合は、見える範囲の掃除のみにとどめておきましょう。

自己流でエアコン内部の奥まで手を入れたり、分解を行ったりすると故障の原因になる可能性があり、再度組み立てることが難しくなってしまうこともあります。

そのため、フロントパネルやフィルター、本体の外装や吹き出し口の掃除などにとどめておいたほうが無難です。それぞれの部品を細部まできれいにしたい場合は、プロの専門家に任せるようにしましょう。

事前にドレンホースの詰まりを確認する

事前にドレンホースの詰まりを確認しておくことも、押さえておくべき注意点の一つです。ドレンホースはエアコン内で発生した結露水を外へ排出する管であり、掃除などで出た水もドレンホースを通じて排出されます。

ドレンホースが詰まっているとエアコン内の水がうまく排出されず、水漏れの原因になります。水がたまっている状態が続くとカビやバクテリアが繁殖し、エアコンから嫌な臭いを感じる原因となってしまうかもしれません。

エアコンの臭い対策を行う際は一度ドレンホースを確認し、ゴミや汚れが詰まっていないか確認してください。

作業後は必ず試運転する

自分でエアコンの臭い対策を行った場合は作業後に必ず試運転を行い、稼働時に嫌な臭いや異音がないかをチェックしましょう。試運転を行うことで、臭いの除去が十分にできたかを確認できます。

また、エアコン内部に風が行き届いて乾燥にもつながり、カビ発生のリスク防止にもなります。

エアコンの臭い対策のコツ

エアコンの臭い対策のコツとして、以下の6つが挙げられます。

  • 自宅にあるもので「お掃除棒」を作る
  • 使わない時期も月に1回送風運転する
  • 部屋の換気を定期的に行う
  • 2週間に1度フィルター掃除をする
  • 部屋もこまめに掃除する
  • 運転後は内部クリーンや1時間の送風運転をする

ここでは、効果的な臭い対策を詳しく解説していきます。

自宅にあるもので「お掃除棒」を作る

エアコンの臭い対策のコツとして、自宅にあるもので「お掃除棒」を作ることが挙げられます。エアコン内部を掃除する際に活用する「お掃除棒」は、100円ショップやホームセンターなどで購入できる掃除道具ですが、自宅にあるものでも簡単に作成できます。

お掃除棒の作成方法は非常に簡単です。キッチンペーパーやウェットティッシュを割り箸に巻きつけ、輪ゴムなどで固定すれば完成です。

お掃除棒があれば吹き出し口などの隙間に入れてホコリや汚れをかき出しやすくなります。

使わない時期も月に1回送風運転する

春や秋の比較的過ごしやすく、エアコンを使用しない時期でも、月に1回程度送風運転しましょう。エアコンは使用していなくても内部にホコリや湿気がたまりやすく、そのままにしておくとカビや汚れの原因になります。

月に1回送風運転することで、エアコン内部にたまったホコリや湿気を除去でき、臭いの発生を防ぐことが可能です。

部屋の換気を定期的に行う

エアコンの臭いを防ぐためには、部屋の換気を定期的に行いましょう。

換気せずに部屋の空気が汚れている状態だと、エアコンの吸い込み口から汚れた空気を取り込んでしまいます。その結果、エアコン内部に汚れが蓄積されてカビやホコリの原因となり、嫌な臭いの発生につながります。

換気は窓を全開にして行うのが理想的ですが、気温などの状況によっては全開するのが難しい場合があります。その際は、換気扇も一緒に利用すると良いでしょう。

2週間に1度フィルター掃除をする

エアコンのフィルターは、空気中のホコリやチリなどを取り除く重要な役割があります。フィルターを長期間掃除しないと付着した汚れからカビが繁殖し、カビの臭いの原因となります。

カビの臭いを予防するためにも、フィルターは2週間に1度掃除することをおすすめします。掃除機やブラシで定期的にホコリやチリを取り除き、汚れが落ちにくくなってきたら新しいフィルターに交換することも検討しましょう。

フィルターの手入れを怠らないことで、エアコンからの嫌な臭いを軽減できます。

部屋もこまめに掃除する

エアコンの臭いを防ぐためには、エアコン本体の手入れだけでなく、部屋自体の掃除も欠かせません。なぜなら、部屋の中にたまったホコリや生活臭をエアコンが取り込み、吹き出し口から室内に拡散され、異臭を感じる原因になってしまうためです。

部屋もこまめに掃除をし、エアコンの嫌な臭いを防ぎましょう。

運転後は内部クリーンや1時間の送風運転をする

エアコン使用後は、1時間程度内部クリーンや送風運転をしましょう。エアコンは使用したあと、湿気がこもりやすい特徴があります。特に夏場の冷房運転はエアコン内部に結露が発生しやすく、他の季節よりも湿度が高くなりがちなので注意が必要です。

内部クリーンや送風運転を行えばエアコン内部の湿気が除去され、カビや異臭の発生を防止できます。

忘れずに毎回行えば次第に臭いが出にくくなることもあり、不快な臭いで悩まされることも少なくなるでしょう。

エアコンの臭いを自力で完全に除去するのは難しいため業者に委託しよう

エアコンの汚れは、あらゆるエアコントラブルの元凶であり、適切に対処しなければ不快な臭いの発生につながってしまいます。

しかし、自分で行う掃除だけでは臭いや汚れを完全に除去することは難しいです。特に本体内部の汚れやカビなどは、自力での対処は困難です。

専門の技術と道具を持つ業者ならエアコン内部をクリーニングでき、臭いの原因を取り除くことが可能です。

自分でできる手入れは定期的に行いつつ、1年に1回のペースでプロの業者にクリーニングしてもらえば快適な空間を維持できるでしょう。

まとめ

エアコンからの嫌な臭いは、カビの繁殖や室内の生活臭、本体内部の汚れなどが原因で発生します。嫌な臭いの原因を突き止めずに放置すると、エアコンの機能低下や電気代の上昇、故障などにつながり、最悪の場合は健康被害が起こってしまう可能性もあります。

臭いへの応急処置として、換気しながら冷房16度、あるいは暖房30度で1時間運転する方法が挙げられますが、あくまで一時的な対策です。根本的な解決にはつながらない点には注意してください。

エアコンの掃除を自分で掃除したり業者に依頼したりすることで、嫌な臭いを解消できる可能性があります。しかし、自分で行う場合は臭いを完全に除去するのは難しいため、プロの業者に依頼したほうが無難です。

快適な日常を送れるようにするためにも、1年に1回はエアコンクリーニングを業者に依頼し、嫌な臭いが発生しない環境を整えましょう。

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